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こんばんは。お立ち寄りありがとうございます。T.です。
今日はイベントですね。寒いけれどお天気た良くて何よりです。
TLに新刊情報や設営の写真が流れてきて、見ているこちらもニコニコしてしまいます。楽しい一日になりますように。

と思ったのですが、どう呟けば良いか分からなくなってしまってですね。お留守番組の方も「みなさん楽しんで!」とか呟いてらっしゃるし、私も何かと思ったんだけれども。いや、最初に楽しそうだなあと完結させてしまったのがいけないのは分かっているのだけれども。
小一時間悩んでTwitterそっとじしました。コミュ障ここに極まれリ。
会話とか人間関係って圧倒的に鍛錬が必要なんですよね。そんなの関係ねー!って人もいるにはいる。大変に羨ましい。
諸事情で秋に退職しまして、最近一人で家にいます。そうなるともう、低下どころではない。たまに友人と会ってランチーとかいう時も、自分の挙動が不安で仕方がない。解散したあとは一人反省会でさらにヤバい。
共感してくださる方、同類ですね?お互い頑張りましょう。画面の向こうと握手したい。

そんなこんなで時間があったので、ときわかきわにが出来ました。
たくさん見ていただけでめっちゃ嬉しいです。なにより嬉しいのが、目覚めのベル自体の閲覧数が上がっていること。
「シリーズもの?じゃあいらない」ではなくて、とりあえず飛んでみるかって思っていただけるのが、とっても嬉しいんです。最初からアウトオブ眼中って悲しいので。
反応が弱いのは、それが私の力量なので仕方がない。気にしすぎるとマイナス感情から後悔する行動を取りそうで、良い部分だけ見るようにしたいです。それが理想。
ときわかきわには、書いていてすごく楽しい話でした。そっちを大事にしたいと思います。

よくキャラクターが勝手に動くといいますが、このシリーズは本当にそんな感じです。書き始めた時はちょっとした小ネタで数千の予定だったのに、上の桁までいってくれたし。
最初はカカ子ちゃんも中忍のデート回数の話も、全部ありませんでした。先生の受付仲間に名前をつける予定もなかった。楽しいから広がったんだと思います。
自分の中の好きな人達がどんどん形になっていくって、すごく楽しいです。書きたいのになあとか書けないーとかじゃないのは貴重なことで、余裕があるって大事だなあと思いました。夏までの生活だったら書けてなかった。

リンクを貼ってなかったので改めて。
kkirオメガバース目覚めのベルが鳴るの二人で「ときわかきわに意固地の花嫁」です。
見て頂けると嬉しいです。

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21164726

記事の続きに、中に入らなかった二人のやりとりをちょこっと書きました。式の夜の会話です。よろしければぜひ。
見てあげようというありがたき皆さま、続きへどうぞ。
ではまた。
 ニコニコと笑う人の正面に座るのは度胸が必要。何を繰り出してくるのか、想像するのも怖いから。大抵は俺の尻が逃げようと浮き始める展開が待っている。
「一個ずついきます」
「一個もいかんでいいですし」
「聞かずにおられようか」
 うふふと笑われて体を縮める。
 仕方ないじゃないか知らなかったんだからとか、まわりくどくて分かんねえんだよとぶち上がってもよいのだが、薬指に光る銀色を見てしまうと何も言えない。
 銀は俺が選んだ。何の色かは知らなかったけど。
「なぜ菊」
「慰霊碑で」
「ストップ。もういいです。次。バケツプリン。バケツプリン?バケツプリン!この人バケツプリンって!」
 信じられないといわんばかりに、ひと言ずつ声高になってゆく。い、いたたまれねえ~。
 えへへと笑ってみても、当然逃がしてくれない。俺、耐えている。とてもよく。えらい。
「流行ったんですほんとです。あれは受付の誠意の塊ともいうべきプリンでして、ぜひお伝えせねばと思っているところでもありました」
「いや聞いてたし」
「そうでしたっけ?」
「伴侶、菓子職人でもなくあえて言うなら硝煙の匂いに塗れるほうが多い伴侶がバニラの匂いさせてたら、どう考えても気になりませんか。やったらぷんぷん甘―い匂いさせてみなさいよ。本来一発浮気カウント入りますからね」
「ま、またまた大袈裟なあ~」
「ワケの分からん質問を連発するってだけで、浮気カウンター振り切った人いませんでしたっけ」
「浮気とは思ってないって言っただろ。あれは」
「あれは?」
 ニコニコがニヤニヤに変わったのを感じとり、口を噤む。分かってて言ってるな。俺が淋しくて拗ねただけですってセリフを引き出したいんだろう。その手には乗るものか。
「ちょっとばかり虫の居所が悪かったんですよね。そういう時もありますよね。とにかく、流行ったのはたしかなんです。材料使い切るまで毎日作ったんだから」
「流行ってるもの、喜ばれるものって聞いたのよ。ミスの後始末で作ったバケツプリンや特定個人が作る栗きんとんなんて言う?遠慮なく言わせてもらうけど、どっから浮気を疑ったんでしょうね。高級店のお菓子を買ってたのに、俺にはくれなかったってんなら分かります。入手不可能なもの並べといて、もしかしてって発想に至る過程がまったく分からないんだけど!」
「カカシさん、浮気疑われたの怒ってます?」
「べつに」
「嘘」
「ホント」
 ふいとそっぽを向いた顔の中で、ほんのちょっぴり口が突き出しているような気がする。信じていたなんてのは俺からの後付けに過ぎなくて、投げられた言葉だけを見ていれば傷ついたと責められたとて怒れない。
 実際、その単語を出せば動揺してボロを出すだろうと計算の上で選んだ言葉だ。想像以上にヒットして大げんかになってしまったわけだけど、俺の中の不満をあぶりだしてくれたのだから、一概に悪いとも言えない。雨降って地固まるを地で行った。
 参ったなあと思いつつカカシさんの指にはめられた指輪をつんつん突く。この銀色、想定外に目に入る。やたら目立ってしようがない。
「……赤は写輪眼、紫は茄子でしょ」
「はい」
「深緑は」
「ベスト」
「……………………」
 カカシさんは両手で顔を覆ったままがくりと首を垂れてしまった。
 彼が色々考えて、結婚式に必要な情報を集めていたんだろうなと考えれば、黙るしかない。何も考えていなかったから、その場の質問にその場の答えを出した。
 風呂上がりだからアイス、花なら一番印象が強い季節の桜、カカシさんに似合う色ならカカシさんから連想する色を。なんとなくアスマさんの言葉を思い出す。

 お前らどっちも悪くなくてどっちも悪い。強いて言うなら群を抜いて相性が悪い。

 だけど、すんなり固まってピタッと外れないものと同じくらい、どうしようもなくうまくいかなくてくっつかないものがくっつくいた時は、強いのだ。
 すっと馴染むものは、馴染みが良いほど同化して薄れてゆく。がたついたものは、ずっと強く印象づけられるのではないだろうか。
 小さな世界を見る俺は、そんな世の中の不公平をよく知っている。哀しくて不都合な真実は、でこぼこな俺達にとってとても優しい。
「これ、明日には外すでしょう?」
「手甲の下だし、いいんじゃないかな」
「……外すでしょう」
「……うん」
 彼の顔を覆う手にはまった指輪を見る。装飾品が悪いわけではない。結婚したのだから変化があって当然でもある。だけど、彼はきっとそういう人じゃない。
 張り切って準備したであろう指輪は家へ置いてゆく。戦場へは連れてゆかない。でもまたはめる為に帰ってきてくれる。
 小さな揃いの銀色は、これからも離れる時間の多い二人の約束の形として、里で俺と彼を待つのだ。
 ちゃんと受け取っている。察しが鈍くとも、彼の望む答えを出せなくても、彼の気持ちは分かりたいと思っているのだ。伝わるといいのだが。
「次の質問は?」
「あなたに一番似合う色は」
 おや、と思って様子を窺えば、両手で隠れた向こう側もこちらを窺っていた。顔を覆う両手がそろそろと下ろされる。
 新しい質問の答えは、決まっているだろう。
「銀色」
 わしゃわしゃと頭を撫で回す。俺に似合う色も好きな色も一つしかない。俺の一番大事な人の色だ。
「先生は指輪つけててくれる?」
「つけませんよ」
「なんで!」
「え、邪魔だし」
「結婚指輪だって分かってるでしょ。それを邪魔って表現する場合、何に対して邪魔と思われるか想像しないの。ここまで話してきてそういう思慮の無さ、さすがにビックリするんだけど」
「ふだんつけないものつけるんだから、慣れるまで違和感からの異物になっちゃうのはしょうがねえだろ」
「異物!」
「さすがに言葉の選択を間違えた気はする」
「ビックリ。あなたレベルの鈍感でもようやくそこまでは育ってくれたか。感無量」
 気恥ずかしさから攻撃的になるのは、俺の一番良くないところ。いつもなら財布叩きつけて売られたケンカを買うところだが、今日はずっしりと重石がついているので対話を選んだ。
 小さくても結構意味がある。さすが証だ。
「一緒にしまっとく。帰って来たら、一緒につける。片っぽだけ残るのは可哀想だから」
「……ずるい言い訳」
「許すだろ?」
 ニシシと笑えば彼の肩の力が抜けた。眉を下げて左手の指を絡めてくる。きゅっと左手を握られた。
「じゃあ今日の夜は、ずっとくっつけてようね。ずーっとぴったりこのまんま」
「別にいいですけど……」
 思わず二人の全身を確認してしまった。まあ、カカシさんがいいならいいんだけど。
「心配しなくても右手は空いてます。片手でひんむいてあげるね。俺、器用だから大丈夫」
 何を心配してるんだか。別に脱ぐ時だけ手を放してもいいわけだし、着たままでもできなくはない。
 ずっと手を握り合ってってのも、ロマンチックではないだろうか。一応初夜と言えなくもないわけだし。
「花婿さんにおまかせします」
 ニコニコと頷く後ろに、ぶんぶん振られるでかい尻尾が見えた気がする。俺の旦那さまは花婿じゃなくてわんこだったか。
 ぐいと抱き寄せられて尻を抱えられる。本当に手をつないだまま、器用に前抱きで持ち上げられてしまった。この男、有言実行するかもしれん。
 両手の塞がったカカシさんの代わりに電気を消した。どこまでやれるか楽しみだ。
2023/12/17(日) 17:23 ひとりごと PERMALINK COM(0)
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