◆各種設定ごった煮注意
解説があるものは先にご確認ください
目の前に広がる人の群れ。平和ってのは良いことばかりじゃないねえとため息をつく。今までの里だったら、一度にこんな大勢の忍が集まることなど出来なかったはずだ。自然、この人の暴走にもストップがかかっていたのだが。
「者ども用意はいいな!?」
うおおおおーーーっ!!
「最初にカカシの手を取った者だけが、見合い権を得られる!里をあげての一大イベントだ。この見合いは成婚率九割九分九厘!!」
うおおおおーーーっ!!
広場を埋め尽くす人間のうち八割は女性のはずなのに、この野太い声は何なのだ。実は変化した男ばっかりとかいうオチは無いだろうな。横をチラリと見るが、綱手様の自信満々の笑顔が怪しい。裏で誰が俺と見合いをするか札束が飛び交っているというし、あり得ない話ではない。木ノ葉の里長が結婚すると言って、大名筋まで捲き込んだって噂⋯⋯まさかと思っていたのだが。
「綱手様」
「何だ?」
「里潰されるようなことしてないでしょうね?」
「なーにをごちゃごちゃ考え込んどるんだ。しっかり花嫁に捕まえられてこい!」
ばしんと背中をぶっ叩いた力は想定以上で、有無をいわさずのスタートとなった。はたけカカシ三十を越えてはや数年。勝手に嫁取り合戦に放り込まれました。
逃げられるのは里内のみ、屋内は禁止。
里民に絶対迷惑をかけないこと。
ルールといえるのはこの二つだけで、あとは全員やりたい放題だ。里内ってことは忍術禁止だろうがと声を上げても聞く耳は無し。たった一時間でどれだけの人数を縛り上げただろうか。後始末に走り回る暗部はうんざりという態度を隠しもしない。
「そろそろ減ったよね?」
「どこ見て言ってんですか。その節穴のせいでこの騒ぎですよ。早く終わらせてください」
可愛い後輩、先輩の心配してくれない。俺悲しい。
「ほら来ますよ」
はーあと向き合う相手は⋯⋯。あのさ、お遊びの鬼ごっこだってそれなりのルールはいるでしょうよ。降り注ぐ手裏剣とクナイを前に足へチャクラをこめた。
あらかた片付いたかなーと眼下を見渡す。かってきた人間の中に、あの人はいなかった。どう考えても冷やかしだろうという人間もいたが、彼はそんなことはしない人だ。分かってはいても、もしかしたらと浮かんでしまった自分の未練に笑える。叶えるつもりもなかったくせに。
突拍子の無い申し出を突っぱねることも出来たが、長年の思いを吹っ切る良いチャンスだとも思ったのだ。おそらくこの先は、今まで頭にあったような終わりとは違う道を進むことになる。ならばこそ、キッパリとけじめをつけておきたかった。
「おしまいですか?」
なんとなくここへ来たのは、ここが始まりだったからだろう。教室で子供たちと笑う彼を、いつもこっそり見ていた。気づかれていないと信じていたが、里中が俺を探す中ピンポイントで声をかける彼に不安を覚える。
「多分。ほぼ縛り上げて転がしたんで」
「お疲れ様でした。じゃあ一杯奢らせてください。一日お疲れだったでしょう」
ちょいちょいと手招きする姿に体を投げ出した。真っ直ぐに彼の元へと落ちてゆく。
「あっ足元!」
「えっ?」
地面へ着くすれすれの所で抱き止められる。爪先ほんの数センチの所でたんぽぽが揺れていた。
「良かった。ダメになっちゃうとこだった」
「⋯⋯うん。まだ間に合うかな」
「平気ですよ。ほら」
俺を下ろし、花へ屈み込もうとする彼を抱き寄せた。
「先生に捕まった」
「えっ?」
「あなたが勝者です」
驚いて口も目も大開きになっている。この目をどうやって覚まさせるか。ここからは俺の勝負だ。
2021/05/30
「者ども用意はいいな!?」
うおおおおーーーっ!!
「最初にカカシの手を取った者だけが、見合い権を得られる!里をあげての一大イベントだ。この見合いは成婚率九割九分九厘!!」
うおおおおーーーっ!!
広場を埋め尽くす人間のうち八割は女性のはずなのに、この野太い声は何なのだ。実は変化した男ばっかりとかいうオチは無いだろうな。横をチラリと見るが、綱手様の自信満々の笑顔が怪しい。裏で誰が俺と見合いをするか札束が飛び交っているというし、あり得ない話ではない。木ノ葉の里長が結婚すると言って、大名筋まで捲き込んだって噂⋯⋯まさかと思っていたのだが。
「綱手様」
「何だ?」
「里潰されるようなことしてないでしょうね?」
「なーにをごちゃごちゃ考え込んどるんだ。しっかり花嫁に捕まえられてこい!」
ばしんと背中をぶっ叩いた力は想定以上で、有無をいわさずのスタートとなった。はたけカカシ三十を越えてはや数年。勝手に嫁取り合戦に放り込まれました。
逃げられるのは里内のみ、屋内は禁止。
里民に絶対迷惑をかけないこと。
ルールといえるのはこの二つだけで、あとは全員やりたい放題だ。里内ってことは忍術禁止だろうがと声を上げても聞く耳は無し。たった一時間でどれだけの人数を縛り上げただろうか。後始末に走り回る暗部はうんざりという態度を隠しもしない。
「そろそろ減ったよね?」
「どこ見て言ってんですか。その節穴のせいでこの騒ぎですよ。早く終わらせてください」
可愛い後輩、先輩の心配してくれない。俺悲しい。
「ほら来ますよ」
はーあと向き合う相手は⋯⋯。あのさ、お遊びの鬼ごっこだってそれなりのルールはいるでしょうよ。降り注ぐ手裏剣とクナイを前に足へチャクラをこめた。
あらかた片付いたかなーと眼下を見渡す。かってきた人間の中に、あの人はいなかった。どう考えても冷やかしだろうという人間もいたが、彼はそんなことはしない人だ。分かってはいても、もしかしたらと浮かんでしまった自分の未練に笑える。叶えるつもりもなかったくせに。
突拍子の無い申し出を突っぱねることも出来たが、長年の思いを吹っ切る良いチャンスだとも思ったのだ。おそらくこの先は、今まで頭にあったような終わりとは違う道を進むことになる。ならばこそ、キッパリとけじめをつけておきたかった。
「おしまいですか?」
なんとなくここへ来たのは、ここが始まりだったからだろう。教室で子供たちと笑う彼を、いつもこっそり見ていた。気づかれていないと信じていたが、里中が俺を探す中ピンポイントで声をかける彼に不安を覚える。
「多分。ほぼ縛り上げて転がしたんで」
「お疲れ様でした。じゃあ一杯奢らせてください。一日お疲れだったでしょう」
ちょいちょいと手招きする姿に体を投げ出した。真っ直ぐに彼の元へと落ちてゆく。
「あっ足元!」
「えっ?」
地面へ着くすれすれの所で抱き止められる。爪先ほんの数センチの所でたんぽぽが揺れていた。
「良かった。ダメになっちゃうとこだった」
「⋯⋯うん。まだ間に合うかな」
「平気ですよ。ほら」
俺を下ろし、花へ屈み込もうとする彼を抱き寄せた。
「先生に捕まった」
「えっ?」
「あなたが勝者です」
驚いて口も目も大開きになっている。この目をどうやって覚まさせるか。ここからは俺の勝負だ。
2021/05/30
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先天的女体化・年齢パロ・オメガバ・現パロ・各年代ごった煮です。
特殊設定にはひと言ついておりますのでご確認ください。
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