◆各種設定ごった煮注意

解説があるものは先にご確認ください
◆kkirは『相手の身体の部位を潰さないと出られない部屋』に入ってしまいました。
 30分以内に実行してください。



 気づけば三歩。いたって自然に全く意識せず、空気も揺らさないほどの慎重さで、先生に気づかれもせず。
 俺って一流の忍なんだなあなんて自画自賛してみたりするが、問題はこの先だ。
 先生が発する言葉は何か。これに尽きる。
 何か言われる前にと考えを巡らせるが、潰されて良い場所など思いつかない。今後の任務に支障があるようでは困る。
 かといって、先生を潰すなんてあり得ないのだから、差し出すのは俺のほう。ではどこが良いのか。
 ……髪の毛って潰れるか?束にして潰れた!って認定されるだろうか。

 無言で正面を見ていた先生がゆっくりとこちらを見る。
「覚悟を」
「ダメです」
「まだ最後まで言ってない」
「言わなくたって分かるでしょ!右手の形は何!見るだけで痛いよ!」
 こんの元祖イタズラ小僧が!と吐き捨てるのは我慢したが、わきわきと蠢く指先は見ていられない。
 あの手の形がスポッとはまる場所なんてひとつしか思いつかないが、絶対にダメだ。さすがの俺も男の象徴を差し出すとは言えなかった。だって色々と支障があるでしょう?
「俺とあんたは添い遂げるんだよな」
「当然」
「なら玉ナシになったって」
「それとこれとは話が別!何なの?アカデミー生が悪ふざけで玉潰し~♪とかやるのとはワケが違うでしょ。なんですぐそっちに結びつけちゃうのよ!イタズラ小僧封印!玉潰しダメ!絶対!」
 ふーぅと鼻息を吹きだした先生が腕組みをする。わあこれはめんどくさいヤツ。
 怒れるアカデミー教師モードに、また一歩後退する。
「重心が変わるってのは聞いたことがあります。けどそれは訓練でなんとかなるはずだ。指を潰して印が結べないとか、足先を失って動きが鈍くなるより遙かに良い」
「痛いよ?悶絶じゃすまないよ?」
「そこは我慢」
「鬼!」
「しゃあねえだろ!他の場所はどう考えても忍として支障がありそうなんだよ。せっかく覚悟を決めたんだからさっさとやれ!」
「ちょっと待って」
「待たん」
「潰すのは先生のタマなの?」
「当たり前だろ。自分だと手加減しちまうかもしれん。一気にやれ!」
 じーんと胸が熱くなる。あの沈黙は、自分の覚悟を決める時間だったのか。忍としての影響が少なそうで、未来の自分へも影響がなさそうな場所。なぜなら先生はずーっと俺と一緒だから!
 でもダメだ。ふるふると首を振る。
「出来ません」
「なんで」
「だって!タマタマを潰しちゃったら先生が、あ~カカシさんダメ。俺もうムリ。カカシさんもうイく~って言いながらぴゅっ」
「やめろ!」
「重要なことでしょ」
「そうだな。この状況でそんなこと言う頭がどうなってるのか、調査の重要性が」
 いつの間にか拳が握られている。振り下ろされるのは時間の問題だ。
「分かった!尻!」
「は?」
「尻にする。お尻をもみ潰す!部位の指定は無いでしょ?扉が開くまで俺が先生のカワイ~イお尻をもみ潰してあげる!」
「そんなんで開くか!」
「やってみなきゃ分からないデショ。時間ギリギリまで試してみましょう。大丈夫。思わず気持ちよ~くなっちゃうくらい、たっぷりもんであげるからね?」
「……潰すはどこいった」
「気持ちよすぎて、潰されても分からないかもねえ」
 先ほどとは反対に俺の両手の指が、わきわきと蠢く。ニコリと笑いかけたのに、何故か先生は一歩後退した。
 大丈夫、まだ二十分はある。ゆっくりと進めよう。



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2023/04/09
2023/04/15(土) 16:23 お題もの COMMENT(0)
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