◆各種設定ごった煮注意
解説があるものは先にご確認ください
壁に浮かぶ文字を目で追う。何度往復しても同
じだ。ため息をこらえても、鼻から吹き出てしまう。まったくもってセンスがない。
数と時間が逆なんだよなあ。ここは、50個を
10分以内に、と要求するべきだろう。10個を
50分以内になんて簡単すぎる。本気で閉じ込め
る気があるのかと軽く問い詰めたい気分だ。
もし数と時間が逆だったら、俺はめちゃめちゃ
燃える。早口言葉を50個なんて、くっそくだら
ない思いつきに大笑いすることから始まったはず。
時間設定もかなりシビアだぞ。600秒で50個な
ら、ひとつ12秒の配分。早口言葉を考えて間違
えず言い終わるにはギリギリ。
そうなると役割分担が必要だな。言いながら考
えてたら間違えるかもしれないし……。
ほら。数と時間を反対にするだけで、協力プレ
イの必要性まで出てくるだろう?
いたずらってのはセンスがないとダメなんだ。
思いついたヤツだけが笑うようなのは最低。やら
ない方がマシ。
やる側もやられる側も、なんだよこれ〜って笑
える要素がないと面白くねぇんだよ。それを分
かってない。
元イタズラ坊主としては納得できないが、脱出
するためだ。心の中で文句を言っても現実は変わ
らない。
「かえるピョオピョコミピョコピョコ!あわせ
てピョコピョコ六ピョコピョコ!」
まずは一つ目。あと九個なんてあっという間だ。
さあ続けてと口を開きながら隣を見れば、カカ
シさんはえらく驚いた顔をしている。なんだ。ど
うした。
「え、言っちゃうの?」
「言わないんですか?」
「だって言ったら出ちゃうよ?」
「そりゃそうでしょ」
おかしいなと思いながら見つめ合う。お互い当
然のように話しているが、どこか噛み合っていな
いのだ。
カカシさんはしばらく俺の顔を見て考え込んでいたが、ハッとしたように目を見開くと少し笑った。
「そっか。先生は出たいのね」
「え。こんなわけ分からん空間、さっさと出たく
ないですか」
「それはそうなんだけどさ。ずーっと忙しくて会
えなかったじゃない。二人で年越ししようって
言ってたのに、出来なかったし」
それを言われるとちょっと胸が痛い。
初めての年越しだから一緒に準備しようって約束して、ギリギリまで待った。紅白に彩られた商店が賑わうのを横目で見ながら、待ってたんだ。
でもカカシさんは帰って来られなくて、閉店間
際のスカスカの棚から一人で買い集めた。餅も三
葉も買ったけど、この人はお雑煮の出番が終わってから帰ってきた。仕方ないことだけど。俺だってちゃんと、分かっている。
「だからなんて言うか⋯⋯、お年玉?をもらっ
たみたいな。ね?」
ふふふと嬉しそうに笑う。こんな得体の知れな
い空間で、二人きりだねなんて嬉しそうに。
⋯⋯あんたがそうやって笑ってれば年中めでたいけどな。まあ言ってはやらんけど。
どうしようかなーと思いつつ、無理なお題を
振ってみる。
「なんかないんすか、正月の早口言葉」
「正月の?知らないなあ」
えー、と考え込む顔がちらりと壁の文字を見る。
制限時間は50分。何分経った?あと何分残っ
てるんだろう。特別な時間はどんどん過ぎてゆく。
「正月のは知らないけどね」
きゅっと手を握られた。急になんだと驚く顔を
覗き込まれる。
「赤巻紙青巻紙君が好き」
えらくベタだなあと思うけど胸がときめく。
それが恋ってやつなんだから当然だ。ただただ
嬉しそうに頬を緩める人と、恋をしている。
「赤巻紙青巻紙キスが好き」
喜んでというように顔が近づく。唇を塞がれた
ら早口言葉は言えないけど、まあ、しょうがない
だろう。
#shindanmaker shindanmaker.com/525269
じだ。ため息をこらえても、鼻から吹き出てしまう。まったくもってセンスがない。
数と時間が逆なんだよなあ。ここは、50個を
10分以内に、と要求するべきだろう。10個を
50分以内になんて簡単すぎる。本気で閉じ込め
る気があるのかと軽く問い詰めたい気分だ。
もし数と時間が逆だったら、俺はめちゃめちゃ
燃える。早口言葉を50個なんて、くっそくだら
ない思いつきに大笑いすることから始まったはず。
時間設定もかなりシビアだぞ。600秒で50個な
ら、ひとつ12秒の配分。早口言葉を考えて間違
えず言い終わるにはギリギリ。
そうなると役割分担が必要だな。言いながら考
えてたら間違えるかもしれないし……。
ほら。数と時間を反対にするだけで、協力プレ
イの必要性まで出てくるだろう?
いたずらってのはセンスがないとダメなんだ。
思いついたヤツだけが笑うようなのは最低。やら
ない方がマシ。
やる側もやられる側も、なんだよこれ〜って笑
える要素がないと面白くねぇんだよ。それを分
かってない。
元イタズラ坊主としては納得できないが、脱出
するためだ。心の中で文句を言っても現実は変わ
らない。
「かえるピョオピョコミピョコピョコ!あわせ
てピョコピョコ六ピョコピョコ!」
まずは一つ目。あと九個なんてあっという間だ。
さあ続けてと口を開きながら隣を見れば、カカ
シさんはえらく驚いた顔をしている。なんだ。ど
うした。
「え、言っちゃうの?」
「言わないんですか?」
「だって言ったら出ちゃうよ?」
「そりゃそうでしょ」
おかしいなと思いながら見つめ合う。お互い当
然のように話しているが、どこか噛み合っていな
いのだ。
カカシさんはしばらく俺の顔を見て考え込んでいたが、ハッとしたように目を見開くと少し笑った。
「そっか。先生は出たいのね」
「え。こんなわけ分からん空間、さっさと出たく
ないですか」
「それはそうなんだけどさ。ずーっと忙しくて会
えなかったじゃない。二人で年越ししようって
言ってたのに、出来なかったし」
それを言われるとちょっと胸が痛い。
初めての年越しだから一緒に準備しようって約束して、ギリギリまで待った。紅白に彩られた商店が賑わうのを横目で見ながら、待ってたんだ。
でもカカシさんは帰って来られなくて、閉店間
際のスカスカの棚から一人で買い集めた。餅も三
葉も買ったけど、この人はお雑煮の出番が終わってから帰ってきた。仕方ないことだけど。俺だってちゃんと、分かっている。
「だからなんて言うか⋯⋯、お年玉?をもらっ
たみたいな。ね?」
ふふふと嬉しそうに笑う。こんな得体の知れな
い空間で、二人きりだねなんて嬉しそうに。
⋯⋯あんたがそうやって笑ってれば年中めでたいけどな。まあ言ってはやらんけど。
どうしようかなーと思いつつ、無理なお題を
振ってみる。
「なんかないんすか、正月の早口言葉」
「正月の?知らないなあ」
えー、と考え込む顔がちらりと壁の文字を見る。
制限時間は50分。何分経った?あと何分残っ
てるんだろう。特別な時間はどんどん過ぎてゆく。
「正月のは知らないけどね」
きゅっと手を握られた。急になんだと驚く顔を
覗き込まれる。
「赤巻紙青巻紙君が好き」
えらくベタだなあと思うけど胸がときめく。
それが恋ってやつなんだから当然だ。ただただ
嬉しそうに頬を緩める人と、恋をしている。
「赤巻紙青巻紙キスが好き」
喜んでというように顔が近づく。唇を塞がれた
ら早口言葉は言えないけど、まあ、しょうがない
だろう。
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先天的女体化・年齢パロ・オメガバ・現パロ・各年代ごった煮です。
特殊設定にはひと言ついておりますのでご確認ください。
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